

今回ご依頼いただいたのは、すでにアルマイト処理(陽極酸化処理)が施されたアルミ板の切断です。
アルマイト処理された材料は、表面に硬い酸化皮膜が形成されています。この皮膜層と、母材であるアルミとでは、レーザー光の吸収率や融点が異なります。そのため、通常のアルミと同じ設定で切断しようとすると、レーザーがうまく入らなかったり、ドロス(溶けた金属が裏面に付着したもの)やバリ(切断面のトゲ)が発生しやすかったりする、少々難易度の高い加工となります。
実際に加工を開始したところ、予想通り、切断面にわずかなバリが発生してしまいました。アルマイト処理された板は、切断後にそのまま製品の見える部分として使われることも多く、切断面の品質は非常に重要です。
このまま納品するわけにはいかないため、ただちに最適な加工条件を見つけるための調整作業に入りました。
弊社では、このような「一筋縄ではいかない」材料の場合、蓄積されたノウハウに基づき、レーザーの加工パラメータを細かく調整していきます。
具体的には、以下の項目を見直しました。
テストピースで何度も試行を重ね、バリの発生を最小限に抑えつつ、切断面の焼け(変色)も起こらない最適な設定値を見つけ出しました。
結果として、お客様にご満足いただけるクリーンな切断面で部品を仕上げることに成功しました。
アルマイト処理アルミや、ステンレスの鏡面材、銅・真鍮といった反射しやすい材料は、レーザー切断が難しいとされています。
弊社では、こうした難加工材についても、熟練の技術者がパラメータを徹底的に調整することで、高品質な切断を実現します。
「この材料は切れるだろうか?」「他社で断られてしまった」といった案件がございましたら、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。
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