今回は、お客様から支給していただいたアルミ板のレーザー切断をご紹介します。「支給材」とは、お客様に材料をご用意いただき、私たちが加工を行うケースです。
弊社では、自社で調達した材料はもちろん、お客様の大切な材料への加工も承っております。この記事では、支給材のアルミ切断ならではのポイントや、実際の作業の様子をお届けします!
今回ご依頼いただいたのは、ある装置に使われる部品の切り出しです。お客様が指定されたアルミ板を支給していただき、私たちがレーザーで精密にカットしていきます。
支給材の加工は、普段の作業以上に気合が入ります。なぜなら、万が一の失敗が許されない、一発勝負の側面が強いからです。お客様の貴重な材料を無駄にしないよう、細心の注意を払って作業を進めます。
まず最初に行うのが、支給していただいた材料のチェックです。
特にアルミは、その特性上、レーザー光を反射しやすく、非常にデリケートな材料です。この最初のチェック工程が、加工の成功を左右すると言っても過言ではありません。
材料チェックが終わったら、いよいよレーザー加工機で切断していきます。
アルミの切断で肝心なのが、「アシストガス」の選択と「切断パラメータ(出力や速度)」の設定です。
アルミは熱伝導率が高く、熱が逃げやすいため、切断面が溶けて固まった「ドロス(バリ)」が付着しやすいという特徴があります。これをいかに抑え、美しい切断面に仕上げるかが腕の見せ所です。
今回は、窒素ガスを高圧で吹き付けながら切断する方法を選択しました。これにより、切断と同時に溶けた金属を吹き飛ばし、酸化を防ぎながらクリーンな切断面を得ることができます。
いきなり本番の材料を切るのではなく、端材でテストカットを繰り返し、最適な出力、速度、ガスの圧力などを慎重に割り出していきます。支給材の場合、材料のロットによっても微妙に特性が異なることがあるため、このテストカットは欠かせません。
最適な条件を見つけ出し、いよいよ本番の加工です。 レーザーヘッドが図面データ通りに滑らかに動き、高エネルギーの光がアルミ板を正確に切り抜いていきます。
そして、こちらが完成した部品です!
ご覧ください、このシャープなエッジと滑らかな切断面。懸念されたドロスの付着も最小限に抑えられ、非常に美しい仕上がりとなりました。お客様にも、大変ご満足いただくことができました。
今回は、お客様から支給していただいたアルミ板のレーザー切断についてご紹介しました。
支給材の加工は、材料の特性を正確に把握し、豊富な経験と知識に基づいて最適な加工条件を設定することが成功の鍵となります。弊社では、アルミをはじめ、ステンレスや鉄など、様々な金属の加工に対応しております。
「この材料、レーザーで切れるかな?」「手元にある材料で、こんな部品を作りたいんだけど…」
そんなご要望がございましたら、ぜひお気軽に私たちにご相談ください。お客様の大切な材料を、最高の形で製品にしてみせます!